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†KOICHI†
ハイドが眠ったその夜明けの話。
俺たちは人間の生活とは逆に夜に活動する。だけどハイドは深い眠りに入ったから夜でも眠っていた。
だけど俺にはまだその時がきていないからただ次の夜が来るのを待つのに眠ろうと支度をしていたら、恐れて誰も近付かないこの屋敷の呼び鈴が鳴った。
覗き穴から見た姿は漆黒の姿。
顔は…俺達と同じ牙が生えてるくらいしか見えなかった。
ドア越しに要件を聞けば…ハイドを狙っていた。
どうしたらいいのか考えても残虐なことしか浮かばず。ただ無駄に血を流すのはハイドが喜ばん。
わからなくなってどうしたらハイドから目を逸してくれるかを聞いたら…俺を捧げばいいと告げた。
怖かった…
だけどハイドは俺が守りたかった。誰にも触れさせたくなかった。
俺はそっと招入れてしまったんや。
俺の部屋に。
その代わり俺の部屋から出れんようにしたよ。
ハイドには手を出させへん。
もし欲しくなったらもらいにいけばいいんや。
その日から眠りにつくまで屈辱の日々だった。
抱かれたくない、吸われたくない相手に抱かれ吸われ。
心が…痛んだ。
ただ守りたくてずーっとその痛みを無視してきたら、眠りについたあと、目覚める直前ハイドではないやつに触れられても悪夢だとごまかすようになった。
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