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「光一、ごめんな…」
なんでハイド謝るの?
「俺はこういうふうにしか光一を守れなかった。でも…気付けば守れなかった以前の問題で守られていた。本当は…」
聞きたくない…
だけど…ハイドが悲しい顔してるから、俺も覚悟を決めよう。
「本当は?」
「光一が俺達ヴァンパイアの王なんだ。君の両親は…本当は俺の両親なんだ。」
じゃぁ…俺…ハイドの幸せ奪ってた…?
「ハイド…ごめん…」
聞かされた真実に伝えれたのはたった一言の謝罪。
俺は知らずに育った。育ててもらった。
思えば…確かに違和感があった。
生まれた日の記憶なんてないはずのものが頭のどこかでうっすら覚えてる。でもそこに母さんや父さん…はいなかった。 それだけははっきりわかる。
ハイドの顔が見れない…
「光一。俺が両親に頼んだんや。光一を守るにはまだ…いや今も俺は非力だから守ってって。」
「俺は…ハイドから幸せ奪ってきた…俺と出会わなければ…両親と幸せに過ごせたんやろう?」
その両親も今はもうこの世の者ではない。
俺を守って…なのに最後まで笑って亡くなった。
その時…俺の記憶では初めてハイドと出会った。
両親の最期を見届けにきたハイドと最期を導いてしまった俺。
俺はハイドにすがるように泣いた。だけど本当はハイドのほうが…泣きたかったんやろうな…
王とかそんなのどうでもいい。
誰か俺を…
コロシテクレ…
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