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そして俺は家に帰った。
この先何が起きるか知らぬまま…
「どこにいっていた?!」
玄関に入ってきた瞬間父さんの罵声が響いた。
まるで心配してますみたいな感じで言ってるけど結局貴方たちは自分の名誉のほうが大切なんでしょう?
「あたしたちは言い付けを守れない子に育てた覚えはないわ」
素頓狂な声をあげる母さん。
今更親の面しないでくれるかな?
「どこにいっていたんだと聞いてるんだ!」
俺の胸倉掴んで床に押し倒して締め上げて来る。
「…並木道の向こうの洋館に行ってた」
それを言った瞬間に両親は動きを止めた。
その隙に俺は父さんの手から逃れて立ち上がった。
「王に…会ったのか?」
王?
「なんか綺麗な俺と同じくらいの身長の人と…」
「…王が目覚められたのか…」
「ねぇ…王って何?」
「いいか?ハイド。俺達人間には血が流れてる。それはわかるよな?」
なんだよ。
いきなり。
「わかる。で?」
「でも人間の中にもわずかながらにヴァンパイアの血が含まれているんだ。個人によって度合いは変わるがな。」
つまり…?
「そのヴァンパイアの始祖が王、光一殿なんだ。」
「ちょっといいかしら?」
父さんの話を聞いていた母さんが俺の腕を掴んで俺の部屋に連れ込んだ。
「ねぇ…あの人をあたしから奪わないでよ。」
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