†HYDE's memory†

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母さんが俺の首に手を添えた。 逃げようとしたときにはすでに遅く、力がこめられてきた。 だんだん苦しくなってきた。 俺は必死にもがいた。 そしたら足が偶然母さんのおなかに当たって母さんの力が一瞬緩んだ。俺はその隙をついて部屋から出て家を飛び出した。 向かう先は迷わずあの人のとこ。 必死に走ってどれだけの距離とかなんてわからない。 気が付いたらあの人が眠っていた棺の前に来ていた。 でもあの人はいなかった。 「…なんでいないの?」 他の部屋も探し回った。 どこにもいなくて…立ち止まってたらどこからか水の音がした。 音を辿っていけば浴室があった。 「そこにいるの…?」 ガラッ… 「ぁ………///」 そこには裸でシャワー浴びてるあの人がいた。 「なんで今きちゃうかなぁ…危ないって…」 ヴァンパイアやろうとなんやろうと…俺はもうあの家には帰らない。 走ってる途中に決心した。 「俺…光一といたい…だから…」 「……ちょっと待ってな」 そう言って浴室から出てバスタオルで全身拭いて服を来て俺の腕掴んでどこかへ向かう。 向かった場所はどうやらさっきの場所。 棺があった。 「…なにがあったん?」 全てを話した。 家であったこと、 決心したこと。 「…俺は…光一さんといたい。」 「無理や。一緒にいてやりたいけど君は人間や。」 ならば… 「じゃぁ…人間じゃなくてヴァンパイアになったら一緒にいてくれる?」 なんてわがままなんだろう。いきなり今日きて今日から一緒になんて難しいだろうことはさすがの俺も気付いていた。
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