贋物

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この日、近藤は上洛に合わせ刀店に依頼していた刀が手に入った、と知らせを受けていたのだ。 近藤は正月のある日、日蔭町通りにずらりと並んだ刀店の一軒に入った。 「へい」 主人がでてきた。 近藤の威にうたれ平伏している。 「どのようなお申付けでございますでしょうか?」 「虎徹を探している。ないか?」 ない。が、ないとはいえない。 「こちらには置いておりませぬが早速手配りしてお目にかけます。 して、どのような品を?」
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