結末【其の零】

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ドタドタドタッ・・・ 上の方から、複数の足音が聞こえだした。 警察が騒ぎに気付いたようだ。 『最後に教えてあげる・・』 「・・・・・」 『妹はね・・両親の事が大好きで仕方なかったのよ。勿論、兄の事もね・・』 「・・・ゼエッ・・・ゴホッ・・」 『だから本当は、大好きな両親を殺した兄でも、復讐なんかしたくなかったのかも』 女性の指に力が入る。 『あと・・葵ちゃんだったよね・・彼女って本当に殺されたのかしら・・』 「・・ハアッ・・・ゼエッ・?」 『死体はちゃんと確認した?』 『本当に、それは葵ちゃんだったの?』 『あなたは妹の事を、身体で分かるの?』 女性は話し続ける。 『・・・・・クスッ・・仕方のない人ね。』 女性は軽く笑う。 『さて、そろそろお別れの時間かしら』 『また来世で逢えるかな・・? 今度逢う時も、仲良くしましょうね。』 『・・・バカ兄貴・・・・・』 バァーンッ!! 拓海の額を銃弾が貫いた。 ドサッ・・ その瞬間・・・拓海の人生が、幕を閉じる・・ 妹を殺害された事により、EARTHを心から憎んだ拓海の人生は・・・ EARTHで実の妹である、葵の手によって幕を閉じた・・ ピチョン・・ピチョン・・ ピチョン・・ピチョン・・ 『・・・さよなら・・バカ兄貴・・』 ドタドタ・・ドタッ・・・ 『いたぞっ! 構わん! 撃てーっ!』 バンバンッ! バンバンバァーンッ! 警察の乱射により、女性は蜂の巣状態だった・・ それでも、彼女は笑い続けていた。 世にも残虐な計画を実行していたのは・・ 三年前の事件の被害者であった・・ しかし目的は遂行された。 意志を継ぐ者のあまりにも辛い・・ そして悲しい戦いが幕を閉じた。 これで本当の平和が訪れるのか・・ 正しい世の中が始まるのか・・ それでも終わらないだろう・・ 復讐は復讐を巻起こす・・ それがこの世の歯車なのだから・・・ ††††††† THE END †††††††
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