食べる

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『花崎さん、珈琲好きだってきいたんで、花崎さんのは珈琲にしました。お口に合うか、わかりませんが。』 そう言って、土屋は 微塵のスキもない、完璧な笑顔で、私に珈琲を置いて やっと自分の席に戻った。 振り向きもしないのに 何故、笑顔がわかったかって? 私は、デスクに 小さな鏡を立てていたから。 そこに映る、土屋の顔と やっぱり着ているブラウスから、私は目が離せなかった。
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