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「ご苦労な事だ……」
若者のグループの後には、商店街のアーケードがきらびやかに光り、ツリーまである。
「何がイブだよ……」
僕は気が滅入るだろう商店街を避け、横道に入る。
駅までは遠回りになるが、人通りも少ないし、なによりあの「イブです!」みたいな飾りを見なくて済む。
「あ……れ?」
あと少しで駅が見える所で、工事中の看板が行く手を遮った。
『工事中、ご迷惑をかけ申し訳ありません』
「迂回しろ?なんでだよ!……ったく」
僕は看板を睨んだ。
……が、睨むだけ。看板を蹴り飛ばす勇気はない。
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