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12年前、そこには仲良く過ごす男の子と女の子の姿があった。
幼なじみである2人は、1日の大半を一緒に過ごしていた。
しかし、突如として2人は引き裂かれることとなる。
いつもと変わらないその日、女の子は今にも泣きそうな顔をしていた。
心配になった男の子は理由を尋ねた。
「ねぇ、どうかしたの?」
「……。あのね…」
「うん?」
「わたしね、明日にはここから離れなきゃならないんだって…」
「えっ…!?どうして!?」
「お父さんの仕事の都合で引っ越さなきゃならなくなったの…」
「そんな…。ぼく、離れ離れになるなんて嫌だよ!!」
「わたしだって嫌だよ!!…でも行かなきゃならないの」
「………」
「だからね、離れても忘れないためにこの指輪交換しようと思うんだけど…」
そう手に持ってるのはシルバーリング。
まだ幼い2人が持つにはかなり高価な物だが、それは前に2人が我が儘を言って買ってもらっていた物だった。
「…そうだね。これなら名前も彫ってあるし、忘れないね」
「それじゃ交換しよ?」
と2人は指輪を交換した。
その後ろでは沈む夕日が2人を淡く照らし出していた―――
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