36人が本棚に入れています
本棚に追加
恭介は耳をつんざく煩さに顔をしかめる。
「自己紹介してもらうから静かにしろ!さもなくば内申を下げる」
先生がそう脅しをかけると教室は静かになった。
そして転入生は教室内を見渡し、ある一点で視線を止める。
(ん…?俺見られてる?)
その視線は恭介に向けられていた。
恭介も負けじと視線を合わせるとそこには昨日商店街ですれ違った女の子がいた。
目を見開きながらこっちを向き、固まっている。
「お前は昨日商店街にいた…」
「……きょーくん?」
(ん…?なんか話が噛み合ってないな。てかきょーくんって…)
「俺は恭介という名前だが何か?」
そう言った瞬間、
「あっ…、やっぱりきょーくんだ!これ見て思い出さない!?」
と言って首から恭介のネックレスと同じものを出す。
ガタッ!!
(っ!?あれはまさか…!)
「詩音、なの…か?」
「そうだよ、きょーくん!よかった、覚えててくれたんだ…」
自分の目は間違ってなかったと安心したのか、その目からは涙が流れる。
皆はその状況に戸惑いが隠せない。
そして恭介は行動に出る。
最初のコメントを投稿しよう!