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恭介は教壇まで歩いていく。
「忘れるわけないだろ。ほらっ」
と言い、自分も首からネックレスを出す。
そのまま詩音の腕を掴み、教室から連れ出そうとする。
教室から出る直前に空に目配せする。
すると空はわかっていたかのごとく笑顔で、いってらっしゃいと口パクした。
それを見て恭介は頷き、みんなからの視線など気にせず教室から出ていった。
「あっ、おい!お前ら…」
「先生!あの2人はちょっと訳ありなんで気にしないでください。
それにすぐ戻ってくると思うんでSHR進めてましょう」
恭介はその会話を微かに耳にいれながらも歩みを止めない。
そして屋上へとたどり着く。
「ハァ、ハァ…。きょーくん、いきなりどーしたの?」
「約束覚えてるか?」
「あのまた会おうってやつ?」
「違う、そっちじゃない」
恭介は息が切れている詩音を気にかけながらもまくし立てる。
「…あっ!きょーくんがまた会えたら言いたいことがあるって言ったやつ?」
「それだ。今からでもいあか?」
「いいよ。私もずっと気になってたし」
「それじゃ…」
恭介は詩音と向き合う。
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