36人が本棚に入れています
本棚に追加
ほんの少しの静寂が2人を包むが、恭介がスゥっと息を吸い込み話し始める。
「その…、約束っていうのは、詩音に好きだってことを伝えようとしたんだ。
幼いながらも詩音のことが大好きだったんだ。離れ離れになっても詩音のことは忘れたことはない。
詩音のこと考えると胸が高鳴るこの気持ちは今でも変わらない」
「詩音、好きだ!今までも、そしてこれからも…。付き合ってくれ!」
「…私はね、小さい頃いつも一緒にいた男の子のことが好きだったの。
毎日が楽しくていつの間にか好きになってたんだ。そんな時、私の家庭の事情で離れなきゃいけなくなったの。
私はそれでもその男の子のことがずっと好きだった。この指輪もあったしね」
「だからきょーくん、私もきょーくんのことが好きだよ」
「それは付き合ってくれるとってことだよな?」
「そうだよ!断るわけないじゃん!」
「よかった…」
そう恭介が安心してるといきなり詩音が抱き着いてきた。
恭介は一瞬何が起こったかわからなかったが、優しく詩音のことを抱きしめる。
「もう離れないよ」
「あぁ。俺ももう離さない」
そして2人は軽いキスをする。
「…それじゃ戻るか」
「…うん」
屋上を後にする2人の影はいつかのように1つになっていた―――
最初のコメントを投稿しよう!