36人が本棚に入れています
本棚に追加
舞台は私立桜花学園。
その学園の中を2人の男子が全力疾走していた。
「なぁ空、なんでこんな状況になってんだ…?」
「んー、あれみんな恭介のファンクラブの娘達だと思うよ?恭介様ぁ~って言ってるし」
「それじゃお前もだな。空様って聞こえるしな」
いきなりなんだと思う人もいるだろうから説明しよう。
恭介と空は今、必死に校内を逃げている。女子の大群から。
なぜなら恭介と空は顔は美形で頭脳明晰、運動神経抜群といった要素を完璧に揃えている。
故にファンクラブができ、今に至るわけだ。
「お、ここだな教室は」
目線を少し上げれば2ーAの文字。
どうやら2人は新2年生のようだ。
教室の前に着いたはいいが、2人の顔が少しばかり険しくなった。
「さぁ、第2関門だ…」
「そうだね。どーする?」
「空、お前が先に入れ。騒がれるの嫌だからな」
「ん、おっけぇ。ほら恭介、そんな仏頂面じゃイメージ悪くなるよ。もっと愛想良くしなきゃ。第一印象は大事だよ?」
といって恭介の頬をムニッと引っ張る。
教室の中にもきっと2人のファンがいるだろう。
だから関門なのだ。
「さて、追っ手も追い付いて来たことだし、そろそろ中に入ろうか」
「…あぁ」
そういって空がドアに手をかける。
最初のコメントを投稿しよう!