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「これでSHRは終わりな。それじゃ授業の準備しとけー」
そう言って先生は教室から去っていった。
先生がいなくなった教室では編入生について一部を除いて語られいた。
「そーいえば恭介って昔からそのネックレスつけてるよね」
恭介と空は小学校で出会い、それからずっと一緒にいた。
だから気になってたんだろう。
「ん、そうだな。これ指に嵌まらなくなったからネックレスにしたんだ」
「へぇー。その指輪ってなんなの?」
「これはな、お前と出会う前にいつも一緒にいた幼なじみの女の子と交換したんだ。
その娘が家庭の事情で引っ越さなきゃいけなくなって、お互いを忘れないようにするのに、当時我が儘を言って買ってもらってたこれがいいだろうって。
これのお陰で俺はその娘のこと忘れずにいられたし、また会おうって意味も含まれてるんだ」
「そっか。まだ交換してないってことは会えてないんだね…」
「まぁな…。ま、焦っても会えるわけじゃないしな」
「そうだね。ちょっとそれ借りていい?」
「別にいいぞ。ほらっ」
ネックレスを首から外し、空に手渡す。
「ありがと。…ん、これ内側になんか彫ってあるね。
んーと…、しお、ん……ひいらぎ?」
「あぁ、柊詩音。幼なじみの名前な」
(詩音…、今何処にいるんだろうな。俺のこと覚えてるかな…)
「ありがと。ネックレス返すね」
「あぁ」
恭介は空からネックレスを返してもらい、それを見つめた。
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