待つ

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何匹もの獣たちに囲まれ逃げる道が無い。 どうしたらいいのかわからずバタバタしていると、彼が一声悲鳴をあげて私を逃してくれた。 彼も後から着いて来ている。 彼の羽ばたく音を聞いたから・・・ ああ、大丈夫。 私はそう思った。 でも、彼は傷ついていた。 あんなにステキな大きな羽が血で真っ赤に染まっている。 足もおかしい。 2人の巣に着地した時彼がドン! と音を立てて崩れた。 彼のステキな長い首が地面に横たわる。 お願い。 首を上げて! 又獣たちに狙われるから・・・・ 私は自分のくちばしで何度も何度も彼の首を持ち上げた。 でも、彼の首はグッタリと地面に横たわったままだった。 まだ、彼は死んではいない。 温かいから・・・ 私は、ひたすら「待つ」 彼が起き上がるのを・・・・
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