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一緒に飛んだはずなのに・・・
私は高く高く飛んだ。
彼を探さなくてはいけないから・・・
でも、彼は見つからなかった。
巣に戻ると彼は冷たくなっていた。
私は、それでも羽を広げて彼を暖めた。
死んだ事がわからないから・・・
本当は、わかっているけど認めたくないから・・・・
何日も何日も時は過ぎていく。
只、何かを
「待つ」
事しか私には残っていないから・・・・
そんな時、彼の呼ぶ声が聞こえた。
私は、その声を追いかけて大空に飛び立った。
今度は魚よりも彼だけを探す。
もう待つのは嫌だから・・・・
探して探して飛び回った。
でも、彼は居ない。
見つける事は出来なかった。
疲れ切った羽を休ます為に巣に戻ると、撒き散らかしたように彼の羽だけが巣に残っていた。
私は雄たけびのような声を上げた。
生まれて始めて上げた声だった。
何度も
何度も鳴いた・・・・・
私の声に答えてくれるのを
「待つ」ように・・・・・
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