夏…

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ピンポーン あたしは、田中棗(ナツメ)。 約束の10時30分に、とあるマンションの一室の呼び鈴を押した。 しかし、応答はない……。 「チッ、また寝てやがる」 ガチャ、ガチャガチャ、 ピンポーン ピンポンピンポンピ~ンポ~ン 「いい加減にしろよなぁ、ったく、」 ピンポンピンポンピンポンピンポン ピンポ~ン ラリーを続けると、ようやく中から声が聞こえた。 「……誰?」 「あたし!ナツメ!!」 怒りながら叫ぶと、やっとドアが開いた。 そして、まだネボケたエマこと、菊地英之が立っていた。 「おはよ、」 「………おはよ…、」 「もう、ネボスケなんだから!早く支度してちょうだい!!その間、勝手にコーヒー入れるからね!!」 あたしがこうやって、まくし立てるように言ってるというのに、エマは再びベッドへと戻って行ってしまった。 「もう!!起きなってば!!」 布団を、思い切り剥がすと……、 身体は、一つではなかった……。
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