鏡の中のキミは

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「正解…だったか?」 レイアンがそう呟いて肩の力を抜いた時、弾けるような轟音が閉ざされた空間に響き渡った。真横の壁が弾け、中から巨大な岩が躍り出て来る。咄嗟に身を翻すが、到底避けきれる大きさではない。 思わず身を竦ませたレイアンの耳に、澄んだ硬質の音が響いた。反射的に振り向いた彼の目の前に、銀色の細い光が乱れ飛ぶ。 「こんな入り口に、"鍵"があるわけないねー?」 気の抜ける呑気な声と共に、巨石が無数の破片となって飛び散った。バラバラと石の雨が降ってくるが、十分に剣で払える大きさのだったので、最低限の動きで適当に払う。 しゅる、と言う音を聞いてから振り向くと、アメルの長い筒袖の中に銀色の光が吸い込まれて行くところだった。
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