我が家にて

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「でも、先輩が戦うんなら別に俺が戦わなくてもよくね?」 その瞬間、彼方が吹いた。 …何が面白いのか…。 「お嬢様、楼のこと先輩って呼んでるんですか?」 「だって先輩でしょ?」 また彼方が笑う。 「俺と其方は呼び捨てなのにですか?」 彼方は其方の1つ下で22歳。 でも小さい頃からいるから呼び捨てで当たり前と思っている。 「何か悪いの?」 「いいえ、何でもないですよ。楼。言いたいこと、言えよ」 俺は先輩の方を向いた。 心なしか、顔が赤い。 「…何で俺は先輩?」 「………はぁっ?」 …ヤバッ!声に出てた。 アレ、このパターン。前にもあったよな。 とにかく! 何?先輩の言動…。 その捨てられた子犬みたいな感じ! 「言っちゃアレかもだけど、どうして欲しい訳?」 …追い討ちかけた? 先輩はとうとう俺に顔を向けなくなった。 …はぁ…。 彼方の言ってたことを考えると、これが効果的か。 「楼」 先輩の体がビクッと反応した。 …当たり?
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