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言った後、彼方が俺の頭を撫でた。
「ご名答です。お嬢様」
この年になってまで頭を撫でて貰っても嬉しくねぇよ。
「そりゃどうも。でさ、ずいぶん逸れたけど俺って戦うの?」
元はこの話しだったよな。
「はい。お嬢様、失礼ですが…お手を拝借」
俺の手を取ると、彼方は集中し始めた。
そして、驚いた顔をする。
「…『導きの書』…」
彼方のその声で、先輩が我に返る。
「…それ、本当?彼方」
「俺を疑うのか?」
「イヤ…」
…また2人の世界に…。
何のことか分からないんだって!俺が!
「聞いて陽。『導きの書』とは、『聖具』の中でも最強と言われる物で、過去にそれを扱えた人は1人しかいない」
「もう、死んでますけどね。それでお嬢様は、『導きの書』を扱うことが出来ると分かりました」
……ハイ?
さっき手を握ったとき、集中していたから力を測っているとは思った。
何となくだったけど。
でもそれで『あなたは最強の武器が使えます』って言われても正直分かんないし。
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