学校より

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教室に着くと、予想外なことに六花が俺に攻め寄って来た。 「アレとどーやって知り合った?」 六花は楼を指差して言う。 全く信用してねぇな。 でもホントのことは言えないから、嘘とホントを混ぜるか…。 「昨日、ノートを学校に忘れて帰ったから学校に戻ったんだよ」 「……1人で?」 「ご明察」 一応、嘘じゃないよな? ここは。 周りにまだ帰りの生徒がいたってことをふせてるだけだから。 …まぁ六花には悪いけどな。 六花と茉乃は俺が1人だと動けなくなるのを知ってるから。 「で、動けなくなった俺を楼は助けてくれたんだよ」 自分で言っといて凄いと思ったね、今回ばかりは。 「…それにしては仲が良すぎでしょ?」 おぉ、茉乃復活! このことは…よし、説明出来る! しかもこれは本当だし! 「楼はウチの執事の彼方の知り合いだったんだよ」 六花と茉乃は彼方のことも知ってるから、説明が楽。 「で、まぁ色々あってウチに住むことになった」 「その色々…何気に重要じゃない?」 くっ…茉乃…、痛い所を。 「…知らなかったの?」 うわっ!楼が喋った! 「俺は陽の婚約者だよ」 …はい? …ちょっと耳が…。 って待て待て! おかしい!おかしすぎる! 何だそのふざけた理由は! 「俺は彼方の知り合いで、陽の婚約者だから一緒に住んでる」 そこ!さも当たり前のように言って見せるな!
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