一雫の欠片

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村では一番大きな長老の館が北の角に離れてあり、多くの村人の粗末な屋は東西に別れて転々とあった。 鈴や紗霧が住む屋は南東にあり、隣同士だった。 紗霧と別れてすぐ、木の骨組みに萱を敷き詰めただけの屋だが温かい自分の家に入る。 『ただいま、母様。』 『鈴、おかえり。早くこちらに来て、手伝ってちょうだい。お父様が来てしまうわ。』 軽くしかこちらを見ず、さっさと支度をこなす母に急かされ手伝う。 『はい。』
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