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「課長~!お熱いところ失礼します!」
威勢の良い声と共に空気の読めない男が
喫煙室に入ってきた。白のワイシャツにネクタイを緩く着けただけで髪は茶髪と非常にチャラい装いである。
「お熱いは余計だバカ! それで?用件は?」
「社長から今回の作戦報告書は完璧だと伝えてくれと言われやして....」
「ああ、了解。わざわざそんなこと言いに来たのか?」
「ヘイ、これも任務のうちなんすから」
「ハハハ、そうかご苦労なこった」
「では課長、末長くお幸せに」
「あら、ありがとう。龍...今夜は帰りが遅くなりそうね」
香山は真っ赤な頬に手を当てながらも、冷静を装いそんなことを言いやがった。
「バカ、お前なに真に受けてんだ!、それより谷口(チャラ男の名)、オレは明日は本部を離れる。ここのことは任せた」
「ハイハイ。任せてください。いつも通り政府からの依頼の電話を受けて、戦地の地理調査をしてのんびりしてますよ」
「まあ、そんなこと言うなよ。今度たっぷり休暇をくれてやる」
「ヘイ、期待してまってます、あっ、お二人のことは黙っておきますよ」
そう言うと谷口は雑な敬礼をして喫煙室を去っていった。
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