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矢「みんなして、酷すぎるでやんす……」
小波達の後ろで1人ブツブツ言っている矢部に1人の女性が話し掛けた。
「矢部、道のど真ん中でなにをしているのだ。はっきり言って邪魔なんだが。」
矢部は、ハッと我にかえった。
矢「ハッ、この声は聖さんでやんす!聖さ~ん。」
※六道聖 小波達の1つ上の先輩。一流のキャッチャー、史上3人目の女性選手。実家はお寺。
喜びのあまり聖に飛びつこうとした矢部だったが。
聖「止めるのだ、馬鹿者。」
バキィ
狙いすました聖の放ったカウンターの右フックが、見事に矢部を捉え、吹っ飛ばした。
矢「き、今日は精神的にも、肉体的にもキツい日でヤ…ン……す………」(でもちょっと嬉しいでヤンす♪…)
ガクッ
殴り倒された矢部だったが、なぜか顔は幸せそうだった。
聖「なんなのだ?いったい。」
何かうるさいなと思い、小波は後ろを向いた。
小(もしかして矢部くんかな、ほんとに面倒くさいな)
よく目を凝らすと、聖の姿が見えた。
小「あれは…聖さん?
おーい、聖さ~ん。」
小波は聖に向かって手を振った。
聖「なっ、あれは小波。」(ポッ)
聖は軽く頬を赤く染めた。それを小波ではなく、猛田が見逃さなかった。
猛(なっ、聖さん、小波の野郎が手を振った瞬間赤くなったような…
ま、まさか!小波の事を!い、いや絶対に違う、そんなことあってたまるか!
顔は俺の方がいいし、それに野球も…)
猛「ウォォ!!シャァァァァ!!」
そういうといきなり自分の頬を叩きはじめた。
横で頬を叩く猛田に、小波と上野は驚きで声がでなかった。
というか、若干引いた。
小(ついに狂ったか…アーメン……)
上(本当に不思議な子だな猛田くんは)
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