137人が本棚に入れています
本棚に追加
「巧!?」
そう言って
彼女は立ち上がった。
「そやで!」
笑顔で答える俺に
もう一度、聞いてきた。
「ほんまに巧なん!?」
彼女の瞳から
大粒の涙が溢れた。
「あれぇ~?
元彼の顔を忘れたんか?」
笑いながら意地悪に言った俺の胸に
美穂はしがみついて来た。
「忘れてない!
忘れる筈ないやん!」
そう言って
しがみつく力が強まった。
「美穂……
よく頑張ったな!
生きててくれて有り難う!
ほんまに有り難う!」
俺は泣きながらそう言って
美穂の肩を
壊れるくらいに抱いた。
最初のコメントを投稿しよう!