奇跡

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「巧!?」 そう言って 彼女は立ち上がった。 「そやで!」 笑顔で答える俺に もう一度、聞いてきた。 「ほんまに巧なん!?」 彼女の瞳から 大粒の涙が溢れた。 「あれぇ~? 元彼の顔を忘れたんか?」 笑いながら意地悪に言った俺の胸に 美穂はしがみついて来た。 「忘れてない! 忘れる筈ないやん!」 そう言って しがみつく力が強まった。 「美穂…… よく頑張ったな! 生きててくれて有り難う! ほんまに有り難う!」 俺は泣きながらそう言って 美穂の肩を 壊れるくらいに抱いた。
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