奇跡

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遼さんの店で 働き出した俺は 今日、店で開かれる クリスマスパーティーの買い出しを 美穂と二人でしていた。 「美穂、今日病院休んで 大丈夫なんか?」 「大丈夫! 先輩にシフトを 代わってもらったから」 美穂は夢だった看護士として 過去の自分の様に 病気と闘ってる人達の為に 頑張っていた。 「そっか…… それやったらいいねんけど……」 「てか、巧 いらん物を買い過ぎ! 遼さんに怒られるよ」 俺は買い物袋から チョコを取り出して言った。 「俺、これメチャ好きやねん」 「私も好きやけど……」 俺はチョコの包み紙を開けて 一口かじった。 「こうやって 食べてしまえば 証拠隠滅やろ?」 そんな俺に呆れ顔で 美穂が言った。 「そういう問題じゃなくて……」 「まあ、固い事を言うなって! ほら……」 そう言って俺は美穂に チョコを差し出した。 美穂は笑顔で それにかぶりついた。 「美味しい」 「そやろ~ てか、これで美穂も 共犯やからな!」 「もぉー ずるいわぁ~」 と言いながら美穂は 俺の手をおもいっきり 握ってきた。
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