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「追試、か……」
渡されたプリントをマジマジと見ながら大輔がぼやいた。
穂高が教室から出る前に渡してきたプリントだ。
〈追試を受けるにあたっての注意事項〉
飾り気のない黒字でそう書かれている題名の下には、細かな文字が羅列している。
「ハァ……追試か……」
受けるの、はじめてだな……
「それが追試のプリント?」
明徳が後ろからのぞき込んできた。
追試に一生縁がない明徳は、このプリントが珍しいようだった。
「追試のプリントっていっても、範囲なんかはまったく書かれてないけどな」
「そうなの?」
明徳にプリントを渡す。
それに書いてあったのは、ほんとに注意事項だけだった。
携帯の電源を切れなどの基本的な内容だけが延々と書いてあるだけ。
日時、範囲などはまったく書かれていなかった。
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