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「じゃあ司は何回ぐらい追試を受けてるの?」
「0、じゃないだろ?」
「まぁな。
ま、ザッと数えても10回よりは少ない」
また誇らしげに胸を張る。
どうやらその“10回以下”が誇れるポイントのようだ。
「でさ、司プロ。
俺に追試の状況を教えてほしいんだ。
その豊富な経験から来る対策だとかさ」
「だからプロじゃないって。
まだアマチュアだよ」
追試のアマチュアでも充分だ。
ビギナーの俺よりマシなはず。
「そういえば…未使魔って追試を受けたことないのか?」
「あぁ、ないよ」
「ってことは、大輔は今回はたまたま点数が悪かったの?」
大輔は左右に首を振った。
今回返ってきたテストの点数は、お世辞でもいい点数とは言えない点数だった。
だが、それでも高校に入ってからの最高点だ。
それで追試なのだから…ショックは半端ない。
「じゃあ、大輔が前いた学校は追試がなかったとか?
それともこの学校のテストが難しいとか」
「全部ハズレだよ、明徳」
「じゃあなんでだよ未使魔」
司が大輔の前に座った。
どこからか勝手にイスを持ってきたらしい。
大輔はなにかを思い出すように天井を仰ぎ、イスの後ろ足でバランスを取った。
「俺がいた学校は、完全無視だったからな」
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