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「「無視?」」
「そうだったな。
高校に入ってから、先生は俺のことを完全無視してた。
俺がテストを休もうが0点を取ろうがなにも言って来なかっしな。
魔術師になりたくない俺のことなんて、相手にしたくないんだろうな。
だから追試は一回も受けたことない」
イスを元に戻す。
ガタンと床が鳴り、首が前に垂れる。
目が回ったような感覚が少しだけきた。
「だから追試のことを教えてくれ、司」
「…あぁ…わかった」
司の声のトーンがわずかに下がっていた。
気付けば空気も重くなっている。
…ちょっとまずったかな。
司も明徳も気持ちが素直に顔に出てしまう。
隠そうとかしない。
いや、隠し方を知らないんだろう。
だから、素直になれる。
それはもう怖いくらいに。
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