8725人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、司。
追試はいつあるんだ?」
笑顔を作りながら司に問い掛ける。
司は“え、”と目を数回しばたかせたあと、大輔と同じように笑顔を作りながら、言った。
…下手な笑顔だ。
「えっとな…追試だったな…
追試は…いつあるかわからねぇ」
「なにそれ」
「いやマジなんだよ。
突然来るんだ。“今日何処何処で追試があります”ってな。
それがいつあるかはわからないがゴールデンウィーク前にあることは確かだ。
追試でまた悪い点を取ったら、ゴールデンウィーク中ずっと勉強になるからな」
「ゴールデンウィーク中ずっと…」
悪魔のようなスケジュールだ。
今回のゴールデンウィークは休日+土日で1週間になった。
その1週間全て勉強に当てるなんて…
背筋がヒヤッとした。
百物語に負けないくらいの話しだ。
「ちなみに…司は受けたことあるの?
その勉強尽くしのゴールデンウィークは」
「オレはまだない。
それが嫌だから必死に勉強するんだ。
勉強ウィークなんて冗談じゃないぞ」
ふーん…
司でもまだ落ちたことない追試試験だったら、まだ余裕があるかな。
最初のコメントを投稿しよう!