way of life―first―

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「それじゃあ…そろそろ寝るとしますか…」 筆箱にシャーペンと消しゴムをしまい、鞄に入れる。 教科書とノートも入れるとけっこうな重さに感じたが、しょうがないかと諦めた。 時計を見るとすでに3時である。 …あと4時間も寝れないじゃんかよ… 時計を見ながら嘆息の息を漏らす。 ちょっと勉強しすぎたようだ。 着替えるものめんどくさいのでそのままベットに倒れ込む。 …やれることはやったよな。 不安な気持ちのまま眼を閉じる。 そのとき、 ――トントン。 小さくノック音が耳に入ってきた。 音源は紛れもなく自分の部屋。 こんな遅くに誰が… 「…誰ですか?」 『あ、ぼくぼく』 ドアの向こうから気の抜けたような声が聞こえてきた。 大輔は驚きながらも、音をさせないように静かにドアを開けた。 「…なんの用だよ、療」 「えへへ、ごめんね。 寝てた?」 「いや、これから寝るところ」 「そ、じゃあちょうどいいや」 療は勝手に部屋に入ってくると、これまた勝手にドアを閉めた。 療はパジャマ姿だった。 そしてなぜか知らないが、枕を胸の前で抱き締めている。 抱き枕には見えない大きさなのだが。 「あの…なにがちょうどいいって?」 わけがわからず大輔が訊くと、療はへにゃんとした笑顔をして、 「一緒に寝よ」 とんでもないことを言い出した。  
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