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冬用の厚い掛け布団を床に敷く。
それを2枚重ねて、にさらにその上にシーツ代わりの掛け布団をおけば立派な布団になった。
「ベットは療が使っていいからな」
「ごめんね、なんか」
「そう思うなら来ないでほしいな」
手作りの布団の上に寝転がる。
ベットより背中の感触が硬かったが、気になって眠れないという程度ではなかった。
「で、どうしたんだ?
怖い夢でも見たのか?」
大輔が訊くと療がベットの上から顔をのぞかせた。
落ちないようにベットの端を手で握っている。
夜落ちてこないか心配になった。
…ベットのすぐ隣りに敷くんじゃなかったかな。
「怖い夢なんかみないよぉだ。
見ても寝れないくらいまでにはならないもん」
「じゃあなんだ?」
「実はね、今日愛ちゃんがバルサンを焚いてくれたんだけど…」
あぁ、もうやったのか。
ずいぶん早いな。
「それでね、いくらゴキブリがいないってわかってても、なんか嫌で」
「あぁ…わかる気がする」
いくら全滅させたと言われても、まだなんか信用できない。
その中で寝るのは俺だって嫌だ。
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