way of life―first―

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‘俺は朝が嫌いだった’ “ぼくは夜が嫌いだった” ‘朝は〈はじまり〉の象徴だったから’ “夜は淋しくて、それに暗かったから” ‘朝が来なければいいと思っていた’ “夜が来なければいいと思っていた” ‘朝が来なければ、全てが始まらないから’ “夜が来なければ、こんな気持ちにはならないから” ‘朝が来なければ、終わりは来ない。 終わりが来なければ、今日はずっと続いていく。 俺はそれを望んでいた。 終わることのない今日が来ることを” ‘夜が来なければ、ぼくはずっと笑顔でいられる。 夜が来れば、ぼくは多分笑顔ではいられない。 ぼくはそれが嫌だった。 早く朝が来ることを望んでいた’ “俺は朝を憎んでいた。 〈はじまり〉の象徴である朝を憎んでいた” ‘ぼくは夜が嫌いだった。 でも、無くなって欲しいとは思わなかった。 逃げ出したくなるほど、辛いけど。 泣きそうになるほど、辛いけど。 でも無くなって欲しいとは思わなかった。 夜が無くならないことが、 ぼくが最下荘(ここ)にいる理由なのだから’ ―The curtain of black fell―
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