way of life―second―

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その日、大村 司はいつもより早めに学校に来ていた。 朝早く起きるのは苦手だったが、今日は自然と早く目が覚めたのだ。 もしかしたら今日、追試があるかもしれない。 そう思うといてもたってもいられなくなってしまった。 この追試を落とすと楽しいはずのゴールデンウィークが勉強ウィークへと変わってしまう。 それだけは断固避けたかった。 朝ご飯もなにを食べたのか覚えていない。 いつ制服を着たのかさえ記憶にはなかった。 ずっと頭の中では昨日覚えた用語やら数値やらがぐるぐる回っている。 言っちゃなんだが、朝のどうでもいいことなど記憶するスペースは残ってはいないのだ。 その日の空は、なぜかいつもより晴れ渡って見えた。  
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