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「チッ」
狩人は、苛立ちを隠せずに舌打ちすると、話を続けた。
「今回の場合、おそらく奪った記憶の質量が夢の質量よりも、大幅に上回ったんだ」
「あっ?」
望の顔が一瞬で曇った。
「気をつけないと……これが逆転の現象を起こしていたら望自身にペナルティーが科せられていたんだぞ? 記憶を変換する前に同等の質量なのか判断しなければ…変換後は奪った記憶そのものが俺達の中から消えてしまうのだから…」
「母さんと同じようになってたかも…」
「そうだ。原因を明らかにしておかないと…」
「うん…私…もう一度、志津子さんに会ってくる」
「いや、新井興産については俺が調べる。望は奪った記憶であろう事故の部分について調べて来てくれ」
「わかった」
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