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触媒は、自らの身体であった。
全てを触媒として捧げた時…人は悪魔そのものになってしまう。
狩人が契約した悪魔…。
それは…
父が悪魔に変貌した姿、そのものであった。
「父さん…」
狩人は、また一つ、悪魔に浸食された手首の一部を見て、そう言った。
狩人は、夜空に浮かぶ星々を見つめた。
星々が降り注ぐ夢を、見たいと思った。
突風が、屋上を吹き抜ける。
狩人の持つ手袋が吹き飛ばされた。
「ゆっくり感傷にも浸れ…ないか…」
狩人は、手袋の後を追うように、屋上から飛び降りた。
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