2ヶ月後…

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早希がこの世を去って 2ヶ月後… 輝美ちゃんからの 着信が鳴った。 「はい」 「遼さん、突然すいません」 「ええけど、どした?」 「いえ、今日は 遼さんの所で静香らと 早希の誕生日会をさせてもらいたくて…」 「うん、知ってるよ。 瞬から聞いてるよ。 有り難うな、 早希の為に…」 素直に嬉しかった。 一人で早希の 誕生日を迎えるのは 正直、辛かったから… でも、 以前から瞬に その話を聞いてて マスターも 席取ってるのに、 改めて俺に電話してくる 輝美ちゃんを 不思議に思った。 「はい、でも…」 何かを言いたそうな 雰囲気を察した。 「どした?」 「実は… 早希の誕生日会と共に 発表したい事があって…」 「ん?なんよ。 発表したい事って?」 「それは、その時に…」 「なんやねん、 勿体つけるなぁ」 そう言って笑った。 「それと、遼さんに お願いがあるんです」 「お願い?」 「はい、 早希を連れて来てもらえますか?」 「輝美ちゃん…」 「早希と遼さん、 一緒に並んでて欲しいから…」 輝美ちゃんの気持ちが 嬉しくて堪らなかった。 涙が出そうになったけど、 唇を噛んで我慢した。 「OK! 早希が寝坊しないように ちゃんと連れて行くわ」 「はい、 有り難う御座います」 輝美ちゃんの涙声に つられそうになったけど なんとか、堪えて電話を切る事が出来た。 そして、 早希の写真を見つめて 笑顔で言った。 「久し振りにデートするか!」
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