バレンタインデー

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「乾杯!」 4人はグラスを合わせた。 その後に、最初に口を開いたのはマスターだった。 「さっき、上着預かった時に思ったんやけど、早希ちゃんのコート、遼のに似てへんか?」 俺と早希ちゃんは、目を合わしお互い苦笑いをした。 「あっ、そうや!」 と言ってママが自分に注目させて、話題を変えてくれた。 そして鞄から何かを取り出すとマスターと俺に差し出した。 「チョコレート」 「あっ、おおきに。 ありがとうございます」 今日、何個目のチョコレートやろ? いくつもらっても嬉しいもんだ 「ウチからも、マスターに。 ハイ」 と、言って早希ちゃんは青いリボンの付いたチョコレートを渡した。 「ごめんね、気を使わせて…」 マスターは、二つのプレゼントを並べてニコニコ顔だった。 "ってか、エッ? 早希ちゃん俺には…?" 自分の鼻を指差して、 アピールしてみた。 「だってね、お客さんに配ってたらマスターの分しか余らなかったんですよ、ごめんなさい。 でも、遼は 今日たくさんもらったから、 いいでしょ?」 「な、なんやそうか。 じゃ我慢しなきゃね。 アハ、アハハ…」 "そりゃ、ないわぁ~。 早希ちゃん…"
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