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重たい体を起こして、
テーブル上の
コーヒーメーカーから
一杯のコーヒーを注いで
1本のタバコに火をつける。
毎日、
ここからスタートして
目を覚ます。
いつもなら
これで目が覚めるのに…
今日はあかん!!
タバコの灰が
手の甲に落ちるまで、
気が付かないほどに
チョイ寝してしもた。
プップッーーーー!
マンションの前で
クラクションが
鳴っている。
悪魔が来たのだ。
ってか、
「早っ!!」
準備する時間も
あったもんじゃない。
そしてまた、
ふざけた着メロが
鳴り響く。
マジで着メロ変えよう。
不愉快になってくるわ。
「はい…」
「遼、準備は出来たけ?」
だから、
出来るはず無いっちゅうねん。
「いえ、
まだ横になってました…
もう、
先に行っといてください。
後で電車で
行きますんで。
みんなにも悪いし…」
「そか、分かった。
翔子ちゃんとかも来るから、
早めに来いよ!
んじゃ、待ってるぞ!」
プッープッープッー・・・
だから、
勝手に切るなっちゅうの!
ところで、
俺が体調悪いのは、
どこにいったの?
忘れられてるし…
まあ、
ゆっくり目を覚ます
時間も出来たし
良しとしよう。
ごっつ
前向きな考えやけど、
そうして
自分を納得させてる俺に拍手!パチパチ。
"シャワーでも
浴びるか…"
バスルームに入り
シャワーを頭に当てた時、
ふとマスターの言葉が
気になった。
「翔子ちゃんとかも
来るから…」
翔子というのは、
俺の元カノで
一年弱付き合ってたんやけど、
愛情表現を
なかなか出来ない俺に
愛想を尽かして
三ヶ月前に
俺をふった女。
でも、
一週間に一回位のペースで
店には飲みに来てて
常連やから、
今日来ても
おかしくはないねんけど…
今となっては
二人の間には
挨拶程度の会話しかないのに、
気まずいでしょ?
空気悪くなるっしょ?
しかも、
泊りがけやのに…
ますます行くの嫌になったわ。
テンション下がりまくりやし。
えっ?
俺の心の中に
翔子への想いはないよ。
無い筈・・・
多分・・・
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