放たれたノート

4/7
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
次の日--- キーン、コーーング 1限の授業が終わり、小休憩が入る。 授業開始まで暇なので、携帯電話を取り出すためにカバンを開ける。 するとカバンの中には見慣れないノートが入っていた。 「そうか、そういえば結局拾ってきたんだったっけ。忘れてた。」 そして、携帯電話の変わりに中から「AGO NOTE」を取り出した。 昨日、一度はベンチに置いて帰ろうとしたタクだったのだが、どうしても気になってその後拾いに戻ったのだった。 「まったく、どうかしてるよ俺も。こんなノートが気になるなんて。」 パラパラとページをめくってみる。 「なんだ、まだ一度も使ってないじゃないか。ちょうどいいや、数学のノートを忘れてきたから代わりにこれでノートを取ろう。」 チャイムがなり、数学の飛田先生(通称:ハム)が教室に入ってきた。 「はい、それじゃ授業始めるぞ。今日は教科書63ページから。」 タクは数学の教科書と「AGO NOTE」を開いてノートを取る。 「え~、三角形の頂点a,b,c,d、あっ、間違えた。」 飛田先生が三角形の図を書いていて、ありえない間違いをした。 (ったくまた間違えやがって、 ハムの野郎。ノートを書き直すのめんどくせーな。)その時、タクは消しゴムをかけながらふと思った。 (そうだ、ちょっとハムの名前を書いてみるか・・・) そして、飛田先生の名前を「AGO  NOTE]に書いた。 「え~、じゃあこの問題を解いてもらおうかな。じゃあいつも男子を当ててるから今日は女子からいくか。」 女子のブーイングが起きる。 タクは時計の針を見ている。 (10、9,8,7、・・・) 「じゃあ、諸永、谷・・」 (4,3,2・・・) 「はよ、書け。」 (1、0!!)
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!