612人が本棚に入れています
本棚に追加
休みの日も一緒だった。
デートをしたり、昼間会えない日は夜中に家を抜け出してどちらかの部屋で会ったり。
いつも一緒…。
私の部活が終わりを迎えると、教室で尚之の部活終わりまで待ったり…。そんな日常全てが楽しかった。
私の進路を決める時期になり、就職する事を選択した。
一年生の時からアルバイトで接客業をしていた私は、仕事もサービス業を選択した。
専門学校へ行くという選択もあったけれど、現場で実際に働きながら…と決めた。
順調に就職先も決まった。
家から車で一時間弱の大きな温泉旅館。仲居さんをする事になった。面接の時に「朝は早いし、夜は遅いですが…」と、大変な仕事である事は告げられたけれど、大好きなサービス業を仕事にしたいと考えていた私には、そんな事大した事ではなかった。
就職が決まり、卒業までの半年間、私達は前にも増して寄り添う時間が増えた……。
尚「離れたくないよ…。」
尚之はそう言って私に甘えてくれた。
私を必要としてくれている…嬉しくて……
.
最初のコメントを投稿しよう!