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「お疲れ様でした……」
俺は、バイト先の従業員と店長にそう告げて頭を軽く下げると静かにドアを閉めた。
調子の悪い自動ドアが軋む様な音を立てながら、ゆっくりと開くと、肌を切り裂くかの様に冷たい風が頬を撫でた。
冬は嫌いだ。
別にこれと言って好きな季節なんてないけれど、冬が嫌いだって言うのは断言出来るだろう。
心の奥にしまい込んだ想いが溢れてくると、温かい雫が一筋の道を頬に作った。
あれからもう一年起つけど俺はまだ何も見つけていない。
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