冬の幻想曲

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雪が大粒になってきた。 バイト先から自宅までは近いとはいえ歩いて15分位だ。 走る俺の息は白くなってきていた。 さっきより気温が下がったのだろう 誰も歩いていない住宅街を小走りしていると、俺はある事に気づく。 何か聞こえた…。 俺の耳に“何か”が届いた。 もう時間も時間だ。 子供なんて居ないだろうし、雪まで降ってる。 近くにあるのは小さな公園だけだ。 まさか…幽霊? なんて非現実的な事を少し真面目に考えてしまった俺は自分自身に対し鼻で笑うように苦笑を浮かべた。 いつもならこんな些細な出来事なんて気にせず、帰る俺なんだが今日はどこか違ったのだろう。 さっき聞こえた何かが胸に引っかかって離れない。 俺は足早に進めていた足を静かに公園の前で止めると、園内に向かい歩を進めていた。
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