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枯れ葉が舞う頃
少しだけ冬の匂いがする、この季節
舞台は体育館
古びた校舎だから、かなり寒くて
全校集会なんて無くなれば良いのに
俺は冷たい手をポケットに突っ込みながら、ステージへ目をやると校長だか教頭だかが未だ熱弁を振るう中、見知らぬ子が一人立っている。
『……遅れましたが、新しいお友達が来てくれました。前に居た学校は…』
癖のある喋り方が鼻に突くけど、この際どうでも良い。
信じない、
信じてなかった、
多分
正しく、これは
一目惚れ。
少し高めの身長に、
少し派手な顔、
綺麗な髪と
それから綺麗な服と…
惚れた場所は単純だったけど、ガキなりに人を好きになった。
それからは、その子に釘付けで、どうやって教室に戻って来たのか解らない。
ただ、胸の辺りがキシキシ云うからウザったかった。
名前さえ聞いて無い。
校長だか教頭だかが紹介してた筈なのに。
七年前の
記憶
今も想いは変わらない
ガキな俺、
垢抜けている彼女
やっぱり事は、冬の匂いがする時期に起こったんだ。
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