1人が本棚に入れています
本棚に追加
.
仲良くなったある日、あの人はドライブに誘ってきた
夜も更けて、こっそり家を抜け出した
そんなんが青春と思ってた
あの人は暴走族のOBらしくて
今時かって笑い飛ばしたくなるけど
あまりに熱く語るから
なんだかあたしまで嬉しく聞いてしまうんだ
その日は追悼式ってやつで
過去に亡くなった先輩たちに捧げる神聖なる走り
…まぁ世間で言う“暴走行為”なんだけど
だけど
あの人があまりに熱いから
亡くなった先輩を慕っていたと心から思ったから
だからどうしても行きたかった
『どこを走るの』
『警察居ないとこだよ』
『おまえは俺のケツに乗れ。先頭きって走るから。何台も何台もの先頭だ。』
わくわくした顔で話を続けた
『沢山集まるだろうけど、お前が一等綺麗だから』
くさい台詞
でも嬉しいよ
最初のコメントを投稿しよう!