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「あの、双我先輩……」
「ん~何?」
「何?じゃないですよ!何で俺の横に座るんですかっ。先輩の席はあっちでしょ!」
ヒロが指差した先には空席の副会長席が。
ぴったりと寄り添って座り、ヒロの太ももに頭を預けていた双我はチラリと会長席の渚に目をやりその後ヒロを見上げて笑った。
「だってさ、ヒロのひざ枕おにゃのこみたいにやらかくて気持ちいいんだもん」
<わわっその顔反則!皆その笑顔に騙されるんだろうな……>
愛らしい顔で笑う双我にヒロの心臓はドクンと高鳴った。
<騙されちゃ駄目だ!>
「変な事言ってないでいいから自分の席に戻って下さい!ひゃっ」
ドキドキしている心を悟られないように必死で平常心を保とうとしていたヒロの指が、生暖かい何かに包まれた。
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