#3.悪魔は一人とは限らない

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      「ちょ何してるんですか!やめてくださいっあぅっ」       舌に搦め捕られた指に伝わる双我の体温。 上目使いで指を舐める男の妖艶さに、ヒロは軽い目眩を起こした。       「ヒロがあんまり可愛いから意地悪してみたくなっちゃった」       そう言って双我は更に激しい刺激を与えた。       「だから、やめて下さいって……あっ言ってる……のにっ」       耐え切れずヒロが鳴咽を漏らしたその時! 「うわっ」と言う声と共に双我の身体が後ろへ飛んで行った。     「目障りだ……じゃれあうなら他でやれ」       冷ややかな視線でヒロを見つめる渚。     「痛っまったく素直じゃないな渚は。嫉妬したならそう言えばいいのに~」     「馬鹿馬鹿しい……何故私が嫉妬しなければならないか簡潔に答えろ」     狙い通りと満足げに笑う双我に詰め寄る渚。     「そんなの簡単じゃん!渚見てりゃ分かるって!」     「ほう、どうやら双我は私とじゃれ合いたいらしいな」     火花を散らす二つの視線。 なにやら怪しい雲行きが充満する生徒会室でヒロが一人オロオロしていると……    
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