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「あ~!なんか楽しそうな事してる~僕が居ないところで狡い狡い!僕も入ーれーてっ」
底抜けに明るい声が生徒会室に響いた。
「これのどこが楽しそうに見えるっての……」
「あれれ?違うの?」
「お前は相変わらずバカだな」
「あー!渚酷いっ!」
「しょうがないよ渚、だって肴だもん」
「ちょっと、双我まで!もうお前ら知んないっ」
ほっぺを膨らませプイッとそっぽを向いて拗ねてるこの少年。色素の薄い日本人離れした色合いの髪は短く整えられ、彼の小顔を引き立てている。
また可愛らしい声も彼の魅力の一つだったりする。
生徒会の中でヒロが唯一安心して話せる彼は、生徒会会計の「肴」だ。
明るくて可愛い彼の存在は、二人の鬼畜に囲まれているヒロにとって正にオアシスだった。
「肴、遅刻の理由は?」
横目でチラッと肴を見ながら渚が尋ねた。
「それがさ、訳わかんない集団に追い掛けられちゃって逃げてたら遅くなったんだよ~」
「また?毎度毎度大変だね」
肴を学園のアイドルだと崇高する生徒達によって作られたファンクラブ「肴を愛でる会」
過激なメンバーが多い為、肴はいつも貞操の危機に晒されながら学園生活を送っているのだ。
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