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「んーでも追いかけっこみたいで楽しかったからいーんだっ」
「そりゃよかった。まあ肴の事捕まえられる奴なんかいないと思うけど」
ぼんやりとした印象の肴だが、実は彼、かなりレベルの高い陸上選手なのだ。
満面の笑みにつられヒロの顔にも笑みが浮かんだ。
「お前らの相手をしてると何時までたっても事にならん。会議を始めるぞっ。とっとと席につけ」
「なっ、もとはといえばあんたがちょっかい出すから……」
<うっ>
ヒロのささやかなる反論は鋭い渚の視線に一蹴される。
「気にしないのっ」とこっそりウインクする肴に促され、ヒロは席についた。
「では会議を始める。今日の議題は……」
ドドドドドッ、ガッシャーン
会議が始まったちょうどその時廊下に激しい音が響き、生徒会室の扉がバターンと乱暴に開かれた。
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