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「はぁ…」
ホームルームの終わりを告げるチャイムの音に耳を傾けながら少年は小さく溜息を漏らした。
ここは私立TKY学園。
全国でもトップクラスの変態……もといトップクラスの学力を誇る秀才達が集まる全寮制の男子高だ。
教室の一番後ろの席で憂鬱そうな表情で帰り支度をしているこの少年。
日光を浴びてキラキラ輝いている薄茶色の髪、チワワの様にクルンとした大きな瞳、小ぶりの唇。
パッと見女の子みたいな彼の名は「ヒロ」
この学園の二年生だ。
「なあヒロ、今日一緒に帰れる?」
支度を終わらせ窓際の席で頬杖をついて校庭を眺めていた少年の背後から声が聞こえてくる。振り向くとそこには愛らしい顔で微笑む一人の少年がいた。
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